数物外縁研究所(v・∇)v

数学、物理学、化学、生物学、天文学、博物学、考古学、鉱物など、謎と不思議に満ちたこの世界への知的好奇心を探求する理系情報サイト

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

フェルマーの最終定理とその証明 数学の難問と歴史的な解決

1. フェルマーの最終定理の起源 1.1. フェルマーの時代背景 1.2. ピタゴラスの定理との関係 2. 350年にわたる挑戦と部分的証明 2.1. 特定の指数に対する証明 2.2. クンマーと理想数の登場 2.3. 20世紀の進展 3. ワイルズによる完全な証明 3.1. 谷山–志村予想…

ガウスと非ユークリッド幾何学の革命 曲がった空間が拓く数学の新世界

1. ユークリッド幾何学の限界と新たな挑戦 紀元前300年頃、古代ギリシャの数学者ユークリッドが著した『原論』は、幾何学の基礎を確立した不朽の名著です。この書物は、点、線、面といった基本概念と5つの公準に基づき、平面や空間の性質を論理的に記述しま…

18世紀の確率論と統計学の興隆

1. 確率論と統計学の誕生 18世紀は、確率論と統計学が数学の新たな分野として飛躍的に発展した時代でした。この時期、科学的思考が急速に進展し、啓蒙主義の影響下で合理性や客観性が重視されました。確率論は、不確実な事象を数学的にモデル化する方法を提…

近代数学の興隆と微積分の発展

1. はじめに 17世紀から18世紀の近代数学は、微積分学の確立を機に飛躍的な進化を遂げました。この時代、数学は自然科学の言語として確固たる地位を築き、物理現象の定式化や工学的応用を推進しました。特に、アイザック・ニュートンとゴットフリート・ライ…

ルネサンス数学の革命 数式と証明が科学を変えた時代

1. はじめに ルネサンス(14~17世紀)は、ヨーロッパにおける文化・学問の復興期であり、数学もこの変革の波に乗り、古代ギリシャやアラビアの知識を再発見・発展させました。この時代、ユークリッドの幾何学やアル=フワーリズミーの代数学が再評価され、…

中世ヨーロッパの数学とユークリッドの幾何学

1. はじめに 中世ヨーロッパ(5世紀~15世紀)は、数学の発展において転換期でした。古代ローマの崩壊による学問の停滞を乗り越え、アラビア世界からの知識流入により、ユークリッドの『エレメント(原論)』を中心とする幾何学が再評価され、学問の基盤とし…

アラビア数学とアル=フワーリズミーの貢献

1. はじめに アラビア数学は、7世紀から15世紀にかけてのイスラム黄金時代に花開き、古代ギリシャ、インド、ペルシャの知識を統合・発展させた学問として、数学史に輝かしい足跡を残しました。この時代、イスラム世界は学術の中心地となり、数学は天文学、工…

古代ギリシャの数学とピタゴラスの定理

1. はじめに 古代ギリシャは、数学を単なる実用的な道具から論理的・体系的な学問へと昇華させた文明として、数学史において特別な地位を占めます。特に、ピタゴラスの定理(a² + b² = c²)は、直角三角形の辺の関係を表すシンプルかつ普遍的な法則であり、…

古代エジプトの数学とピラミッド建築

1. はじめに 古代エジプトの数学は、ナイル川の豊かな恵みとともに発展した高度な文明の基盤であり、ピラミッドや神殿の建築、土地測量、暦の制定、宗教儀式など多岐にわたる分野で不可欠な役割を果たしました。特に、ギザの大ピラミッドに代表されるピラミ…

古代数学とバビロニア数学の世界

1. はじめに 数学は人類の文明とともに生まれ、発展してきました。古代の数学は、農業、建築、商業、天文学などの実用的なニーズから生まれ、徐々に抽象的・理論的な学問へと進化しました。その中でも、メソポタミアのバビロニア数学は、60進法や代数学の基…